医療の現場では、患者にどのような処置を行ったかをカルテに記載する。長く医療の世界では紙製のカルテが使われてきた。しかし世の中にコンピューターやインターネットが普及したことに合わせて、電子カルテの導入が基本になりつつある。電子カルテはコンピューターを用いて記入するカルテで、過去にどのような処置を行ったのか検索しやすくなっている。
また、他の医療機関に患者を紹介するときも治療状況を伝えやすいのは大きなメリットだ。患者が増えてもカルテを電子化していれば、保管場所が増えていく心配もない。電子カルテは大規模な病院ほど導入が進んでいて、個人のクリニックでもめずらしくない基本的医療機器といえる。

電子カルテの利用には基礎的なコンピューター操作の知識が欠かせない。初めて電子カルテに触れる人のなかには操作にとまどう事例もあるが、短期的な研修で使えるようになる。電子カルテを使う時間が長いのは医師であるが、看護師も例外ではない。入院用の病棟を持つ医療機関が勤務先の場合は、特に電子カルテを使う看護師が多いだろう。投薬状況の入力のほか、患者とのコミュニケーションで気がついた点や食事の様子などを記入する場面があるからだ。
日勤と夜勤との申し送りなどでも使われる例があるので、電子カルテは日常的なツールになるはずだ。勤務先の規模が大きくなるほど電子カルテに触れる時間が長くなる傾向なので、新たな勤務先では基本操作を早めに覚えるようにしたい。